- RPG黄金の90年代RPGたち(パート2)
- RPGというよりTVゲーム全体が沸騰していた興隆期。その中核を担っていたのがファンタジーを主体としたRPGたちだった。名高いシリーズ作は単独列伝を組んでいるので単発の有名所をちょいちょい拾い上げていこう!
- 「アクトレイザー」
- 「ライブ・ア・ライブ」
- 「リンダキューブ」
- 「ゼルドナーシルト」
- 「moon(ムーン)」
- 「デュープリズム」
- 「ベイグラントストーリー」
- 「ガンパレード・マーチ」
90年代はRPG黄金の時代。
という位置づけにて追いかけ回しております当ブログ。
正直、売り上げ的にはそんなに売れてはいない。
旧スクウェアRPGやエニックス作、そしてプレステの全面バックアップを受けたアークザラッドみたいなものぐらいが大きく売れていた程度なんですけれど。
★パート1「黄金の90年代プレステ×スーファミ隠れ名作RPGたちを追う!! ~ルドラの秘宝からロックマンダッシュまで~」
国内40万本のスーパースマッシュヒット
アクトレイザー

SFC「アクトレイザー」
ゲーム情報
あらん限りの賞賛をあびせても足りない名作。
「アクション×シミュレーション」で有名な「天地創造」ブランドの傑作、
そのもう一振り。
コーエーの「RPG×シミュレーション(リコエイションと言い張る)」に勝るとも劣らない大開拓である。
このアクトレイザーは「アクションしながら世界づくりにも精を出す」という「ゲーム性の権化」みたいなモノで、
熱狂も深く頷ける。
皆まで言うな、わかってるから。届いているからその面白さはオレの心の最も深いところに届いているから。これがやりたかったんだよ我々は。
そうそうこれをつくれよまったく
あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!
ライブ・ア・ライブ
ゲーム情報
よくわからない仕組みと無数の感動。
原始編、幕末編、功夫編、西部編、現代編、近未来編、SF編の7本のシナリオ&主人公たちによるクリアが求められる。
あまりにスペシャル過ぎるこのデザイン。
こんなのみたことない。
「小学館とスクウェア帝国とのコラボ」ということで始まり、「名探偵コナン」の青山剛昌や「おぼっちゃまくん」の小林よしのり、TVドラマ「アオイホオノ」が面白かった島本和彦などがキャラクターデザインを手がけたという。
絶大な評価を勝ち得ている作品。
参考・「【投票】自分史上1番他者にオススメしたいRPGは?」第1回第1位はライブアライブだった件
当ブログでひっそりとすすり泣く声が聞こえてくる中に開催された「第一回オレイチ史上最高のRPG決定投票」において8票を獲得し王座を戴冠した実績からも分かるとおり、
その評価は時代を超えて語り継がれている。
売上は約27万本とのこと。
参考・「リメイクを望む名作『ライブ・ア・ライブ』20周年記念。本作を語れば、人はみんな1つになれる……なあ……そうだろ 松ッ!!【周年連載】」電撃オンライン さま
夜な夜なリンダと種の保全
リンダキューブ
ゲーム情報
「♂♀動物補完計画』とティッシュの減る野宿。
「サイコスリラー+ハンティングRPG(18歳以上推奨)」
とされる鬼才の逸品。
「王道ばかり作っていたら飽きたしクリエイターの血が疼いた」
ということでリリースされたとか。
結果、それに恥じない鬼作が誕生したようだ。
「俺の屍を越えてゆけ」でも発揮されたゲームデザインはここでも発揮。
「種の保全をめざす大人のポケモン(18推)」みたいなゲームらしい。
滅びゆく惑星の「種の保全」のために「惑星に生息する動物たちをコンプリートハンティング」しつつ、夜な夜なリンダと種の保全。やかましわ。
参考・「【今から遊ぶ不朽のRPG】第4回『リンダキューブアゲイン』(1997)」game*spark さま
隊列動かしシミュレーションRPG戦記
ゼルドナーシルト
ゲーム情報
歴史のコーエーが放っていたもう一つの名作。
皆さんご存知コーエーの隠し子的名作RPG「ジルオール」は有名ですけれども。勿論ご承知のことと思います。
しかし実はもう一発のラッキーパンチを繰り出していたのであります。RPG黄金期においてはあまり知られることのないコーエーの中世ファンタジー調RPG。それがこのゼルドナーシルトだ。
バトルシステムがほぼリアルガチ。
このタイトルはいわゆる「コマ動かしシミュレーションRPG」とされる部類に入る。ファイアーエムブレムやタクティクスオウガなどのアレ。しかし戦闘システムが斬新で、「隊列を指揮して本当に軍を指揮しているような戦い方」をするのだ。まあやってみれば分かるねそこは。
そしてジルオールと同じでフリーシナリオで進行する。
王国の守護神にして至高の槍騎士フランソワ!
最強に最も近い漢にして双竜騎士団長フェルディナント!
共和制にその双刀を捧げた老雄のアルベルト!
北国の巨人グスタフと女騎士フレデリカの怪物夫婦!
恋人のために世界統一を目論む時代の寵児ウィレム王子!
…などなど
「戦記モノ」とか「最強の騎士」とか好きな我々にはたまらないゲームなのだった!!
熱いね
※「メールプラーナ(ガストブランド)」や「ロイヤルブラッド」やらもあるぞ!
もう、勇者しない。
moon(ムーン)
ゲーム情報
アンチ勇者論。
そんな「反キリスト」ばりな「反勇者説」を唱えて歴史の闇に葬られたメッセージ性の塊な隠れ名作RPGがムーンであるといいますよ。
「桃太郎っていきなり鬼ヶ島にやって来て蹂躙して鬼社会ぶっこわしとるやん!いくら悪くてもGHQは日本を潰さなかったやん!」
そんな具合に多様な視点から映し出される童話もありますが、今作はまさにそれをRPGの常識でやっちまったみたいでございます。
開発の中心はあのスーパーマリオRPGを産み出したスタッフたちであるとか。(ラブデリック)
何ぞクレイアニメのようにチャカチャカ動き、アメリカンキッズアニメのように特徴的な挙動をするキャラクターたちによって描かれる王道RPGディスり。
ダーク・マザー的な印象もある。
名前も似てるし
グランディアか、デュープリズムか。
デュープリズム
ゲーム情報
ザ・冒険活劇!/ver.スクウェア帝国
「アクションRPG」として軽快で、
「冒険活劇」として軽妙で、
「ゲームボリューム」も軽量で、
「This isサイコーにちょうどいいRPG」
だとか。
パラサイト・イヴだとかフロントミッションだとか、どこかスクウェアは「ゴリゴリのシネマティックストーリーを推し出していくのか」と思われた矢先に、こんな「王道たる少年少女の冒険活劇」まで送り出してきたのだった。
この頃のスクウェアは「上下左右あらゆるタイプのRPGを生み出せた」恐ろしさが漂っている。
あの“青春の象徴”と名高き「グランディア」と並ぶかも知れない冒険活劇かも知れないのだ。
とにかく知れない。
こうしてみると改めてRPGの大家スクウェア帝国の繁栄はうなずけるが、「これがやがて吸収合併されなくてはやっていけなくなった」というのも恐ろしい話やで。
「FFの映画コケ」ってだけじゃないでしょ?
RPG黄金期の残照
ベイグラントストーリー
ゲーム情報
ドラクエ、FFと並び立つ“第三極”を生み出せた男。※
天才ゲームクリエイター、松野泰己作。
あの戦記ゲームの至宝と涙を流される「タクティクスオウガ」や100万本セールスを記録させた「FFタクティクス」を創り出した。
しっかし娯楽ゲームとしてどうなのこの重厚さは?
みたいな「複雑なゲームシステム(だがそれがいい)」などによって賛否両論を巻き起こす新規タイトルRPG。それがベイグラントストーリー。
プレイステーションの末期に登場とあって「ゲームとしてのグラフィックスや用いられる技術などもプレステ最高峰」とされ、あの「ファミ通レビューにおいて40点満点」を獲得したという。
国内売上は30万本程度にとどまったみたい。「スクウェア帝国&オウガの松野作」にしては大人しめである。
だって、坂口と同じ方向で、かつ彼を超える可能性のある唯一の天才が松野泰己だったんだから。
参考※「だって、坂口と同じ方向で、かつ彼を超える可能性のある唯一の天才が松野泰己だったんだから」電ファミニコゲーマー さま
売らずに売れた事件
高機動幻想ガンパレード・マーチ
ゲーム情報
表は「学徒ジュブナイル戦記」
裏は「ドロドロイカレ世界」
普通にプレイする分には「自由度MAXなコミュニケーションミリタリーシミュレーションRPG」みたいな楽しみが堪能できる。
ナゾの敵性生物「幻獣」の出現に戦線が崩壊していくなか、戦力の足りない熊本で結成された学徒兵たちの悲壮なる決死の戦い。ガンパレード・マーチ。
人類のうちで男と女が1人づつ生き残れば我々の勝利だ!!!!
さあ!
あなたの差し出す手を取って!
あの運命に打ち勝とう!!
これが広告費をほぼかけずに「口コミだけで約20万本を売った」奇跡のゲームがもたらす興奮です。
ただ「このセカイ」は基本的に「かなりおかしい」ので後々掘り進めていくにはご用心あれ。
ゲーム内のキャラクターのなにげない行動の裏に「そんな理由があったのか」なんていうのは日常茶飯事で、
ときにブラックに蠢くミステリースピリチュアル調なカオスっぷり。
「普通にゲームをプレイしていれば学徒たちの光輝な青春戦記が楽しめる」
だけで終われるし、
「裏を覗いてみればその光が落とす大きな影も楽しめる」
という2重の面白さがこのゲームにはあるのだ。
裏を覗くことは「自分の中にある既成概念や常識をぶっこわして、逆に何も考えずに眺めていたい場合」において映画「マッドマックス 怒りのデスロード」同様に有効だ。
「オレは怖えよ……。おまえはまたそうやって笑うけどよ。その笑った顔のままオレを刺せるって。そう思っちまうんだよ。」
めざせ英雄の妖精『絢爛舞踏』!
めざせ「人外の何か」!
めざせ「人類の決戦存在」!
君がいないなら心だっていらないからこのセカイも消えてしまえ。
byマクロスフロンティア
魔法少女まどか☆マギカを観ないのはこれが原因だね。
他にも「ベアルファレス」やら「ロイヤルブラッド(コーエーRPG)」やらとありますけれど、
もう売上やらの問題もありますしね。
そうなるともう黄金期の名作というブランドも崩壊していくということでまあまあ。